高齢者の幸せな暮らしのために 介護ケアに欠かせないADLとQOLの知識

介護ケアに欠かせないADLとQOLの知識

少子高齢化社会がますます進んでいる現代において、介護士の需要がより高くなることが見込まれています。

今後、さらに質の良い介護サービスを提供するには、ADLとQOLのいずれも尊重しなくてはなりません。世間的にADLとQOLという言葉はそこまで浸透していないため、聞き慣れない方もいらっしゃるでしょう。
ちなみにADLとは日常生活動作を意味し、QOLは生活の質を意味しています。

日常生活動作には、介護士のメインの仕事といえる食事や入浴、排泄をはじめ、薬の管理や乗り物を利用して外出するといった動作も含まれています。
介護保険制度では、このADLこと日常生活動作がどの程度、高齢者自身でできるかによって、要介護度が決定するというわけです。

少し前まではこのADLをサポートする介護や援助が重視されていました。しかし近年では、QOLこと生活の質を重視するべきという声が多くなり、多くの施設で高齢者の精神的な充実度を図ったケアを実践しています。
高齢者のQOLを向上させるためには、個人の意思や自立性を尊重し、それぞれが希望するケアを実施することが欠かせないと言われています。

人は歳を重ねると、運動能力や健康状態の低下は避けられません。老化でADLが低下すると、それに伴うストレスが生じ、必然的にQOLも低下してしまいます。こうしたことから、ADLとQOLは密接な関係があると言われています。

高齢者一人一人が満足いく暮らしをつくるには、ADLの向上とQOLの向上を考慮したサポートをすることが大切です。
介護技術を学ぶ上で、ADLの知識は自然と身に付いていくものです。既にADLを押さえている方は、ステップアップをするという意味で、仕事に役立つQOLの知識を学んでおくといいでしょう。